レット症候群の臨床的診断基準

(The Rett Syndrom Diagnostic Criteria Work Group,1988)

1.必須項目
  1)明らかに正常な胎生期および周生期
  2)生後6カ月までは明らかに正常な精神運動発達
  3)出生時頭囲は正常
  4)頭囲の発育が生後5カ月〜4歳の問に遅くなる
  5)生後6〜30か月のの間に、獲得されていた手の合目的的な巧緻性が失われ、
    コミュニケーション障害や社会的な引き辺りを伴う
  6)表出言語や受容言語の著しい障害と、重篤な精神運動発達遅滞
  7)合目的的な手の巧緻性が消失した後、手のねじれ一手絞り、手叩き一指打ち、
    口動かし、手洗い−手こすりのようなマンネリズムな常同的手連動の出現
  8)1歳〜4歳の間に、歩行失調、躯幹の失行・失調の出現
  9)2歳〜5歳までは暫定診断である
2.補助項目
  1)呼吸障害 a)覚醒時の間欠的無呼吸
         b)断続的過呼吸。
         c)息止め発作
         d)空気や唾液を無理にはき出す
  2)脳波異常 a)背景脳波の除波化(3−5Hz)
         b)てんかん波の出現(臨床的に発作があってもなくても)
  3)けいれん発作
  4)筋肉の萎縮やジストニアをしばしば伴った痙性筋緊張亢進
  5)末梢の血管運動障害
  6)側湾
  7)成長障害
  8)発育障害の小さな足
3.除外項目
  1)子宮内成長障害の痕跡
  2)臓器肥大などの蓄積病の症状
  3)網膜障害あるいは視神経萎縮
  4)生下時における小頭症
  5)周生期後天性脳障害の痕跡
  6)既知の代謝性疾患や進行性の神経疾患の存在
  7)重度の感染症や頭部外傷などによる後天的な神経障害


Rett症候群:時期による臨床特徴と(鑑別診断)

Stage(Hadber & Witt Engerstrom)    臨床特徴
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
第1期(発症早期の停滞期)        発達停滞、頭/脳の成長の減速、
     発症:6〜18カ月       遊びに興味をもたない、筋緊張低下
     期間:数カ月
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
第2期(急速な崩壊期)          急速な発達退行、易興奮性、不眠
     発症:1〜3年         有口的に手を使用しなくなる
     期間:数週〜数カ月       けいれん、自閉症状、白傷行為
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
第3期(仮性安定期)           知能障害、自閉症状の改善
     発症:2〜10年        呼吸異常(過呼吸、息止め、空気嚥下、無呼吸)
     期間:数カ月〜数年       けいれん、失調、失行、
                     典型的な手の常同連動:手の握りしめ、
                                手叩き、手を口に入れる
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
第4期(晩期の連動機能低下)       進行性側弩、筋萎縮、強剛、
     発症:10年以上        動きの減少:
     期間:数年〜10年       けいれん頻度の減少
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

自閉障害と教育効果に関する研究  友久久雄 編著 による


レット症候群ホームページへ